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■書籍紹介
タイトル:絶対悲観主義
著者名:楠木健
出版社:講談社
初版発行日:2022/6/22
■「絶対悲観主義」の概要
世の中の人の大半は「フツーの人」です。
自分の実力に驕らず「自分の思い通りにうまくいくことなんて、この世の中にはひちつもない」と生きていくことで、非常に楽になります。
最近話題のGRIT、レジリエンスは本当に必要なのでしょうか?
上手くやろうとすればするほど、失敗した時に悲観的になってしまいます。
であれば、最初から期待値を下げておけば、ダメージが少なくなり結果的に上手くいく。
本書は複雑で窮屈な現代社会を生きる我々にとって、一つの生きる道を示してくれる本です。
■「絶対悲観主義」を読んでほしい人
・自信を持った生き方を身に付けたい人
・1つの失敗ですごく悩んでしまう人
・自分がネガティブなことに悩んでいる人
■絶対悲観主義とは?
タイトルにある「絶対悲観主義」とは何か。本書の中では下記のように定義されています。
・うまくいくことなんてひとつもない
・物事は自分のいいようにはならない
・世の中は甘くない
一見ネガティブ思考のようにも見えるこのような思考。
ここには一体どのようなメリットがあるのでしょうか。本書の中では大きく6つのメリットがあると述べられています。
①実行が極めてシンプルで簡単
②仕事へ取り組むまでの時間が短くなる
③悲観から楽観が生まれる。
④失敗が訪れた際の耐性が強くなる
⑤自然に顧客志向になり、相手の立場で物事を考えられるようになる
⑥継続すれば、自分に固有な能力、才能がはっきりわかる
やることは「どうせうまくいかないだろう」と考えるだけ。
人を巻き込むことなく、費用もかけずに簡単に取り組むことができます。
成功しないといけないという焦りから解放され自由に楽観的に仕事に取り組むことができます。
この世の中うまくいくことなんてあまりないと頭ではわかっていても、このようなスタンスで生きている人は少ないのではないでしょうか?
■幸せをどう感じるのか
絶対悲観主義の中では「幸せ」をどのように定義しているのでしょうか?
本書では「幸福は、外在的な環境や状況以上に、その人の頭と心が左右するもの」として幸福以上に主観的なものはないとされています。
また、幸福の捉え方は人それぞれではあるが大きく下記の2種類に分かれるとされております。
微分派:直前と現在の変化の大きさに幸せを感じるタイプ
(給料が上がった!、昇進した!に喜びを感じる)
積分派:その時点での変化率よりも、これまでに経験した大小の幸せを過去から累積した総量に幸せを感じる
(ベストセラーより、ロングセラーに喜びを感じる)
幸福に対して自分はどのような考え方を持っているのかを認識し、自分にとって何が大事かを取捨選択することが大事になってきます。
実際、楠木さんも中学生の頃から毎日日記を書いており、学んだ自分の価値基準についてしっかりと言語化をし続けています。
■仕事への向き合い方
それでは絶対悲観主義を仕事にどう落とし込めばいいのでしょうか。
本書では、「自分のためにすることが趣味、人のためにすることが仕事」という風に明確に区別をしており、仕事に関しては他者との関わりは避けては通れないものだとしています。
他者が評価して初めて仕事になる以上、自己評価には何の意味もなく他者視点での評価を気にする必要があります。自己認識と他者評価のギャップ。
ここを埋めるために他者のフィードバックは真摯に受け止める必要がございます。
前項のように自分と徹底的に向き合うことも重要ですが、仕事においては他者とも徹底的に向き合う必要があるのです。
ただ、全ての声を聴いていては明確にスタンスを定めることが難しくなります。
本書の中で
他社の自分に対する認識を受け止めるときに、どういう「他者」に向き合うのかは重要な問題です。ターゲットを意識しておかないと、不特定多数の意味のない声に引きずられて振り回される。
と言われるように、言葉を受け取る人も慎重に選ぶ必要があります。
自分と向き合い仕事で成果を出していくためには決して近道など存在せず上記のような地道な努力が必要となってくるのです。
■最後に一言
自分自身が「成功しないといけない」という考え方にとらわれていた人間だからです。
この本を読んで、もっとハードルを下げて生きていいんだと思うことができました。
自分に無駄にプレッシャーをかけてしまっている人、周りの目を気にして自分が出し切れていない人にはぜひ読んでいただきたいです!
記事について
■執筆者情報
名前:なべちん
職業:営業
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