「足らない」の強さを知る|欠乏の行動経済学

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■書籍紹介

■書籍情報

タイトル:いつも「時間がない」あなたに 欠乏の行動経済学
著者名:センディル ムッライナタン エルダー シャフィール
出版社:早川書房
初版発行日:2015/2/19 

■「欠乏の行動経済学」を読んでほしい人

・一度決めたことが長続きしない人
・いつもやるべきことに追われてミスをしてしまう人
・人間関係がうまくいかない人

など様々な課題を持つ方に刺さる本だと思います。

過去の具体的な研究事例をもとに、人間の脳が「欠乏」状態になるとどん影響があるのかを詳しく解説しています。

■「欠乏の行動経済学」のピックアップポイント

①欠乏状態のメリット

欠乏状態は短期的には集中ボーナスを得て大きな効果を発揮します。

「締切に迫られたときの生産性向上」
「貧乏なときの節約術」
「歯磨き粉が残り少なくなったら、大事に使うようになる」

など人は欠乏状態にあるときには一つの事象に集中して短期的な生産性を高めることが可能になります。

~研究事例~
空腹状態の被験者は、32ミリ秒ごとに移る文字列のうち食べ物の名前だけは抜群に認識することができた。映画を見てもラブシーンではなく、主人公が何を食べていたかに興味を示す。

②欠乏状態のデメリット(この本の主題)

脳の容量を使い複数のことに頭を使っていると、他の事項がシャットダウンされてしまい認知能力が低下します。(=トンネリング)

マルタタスクもトンネリングの一つ。同時に物事を行うとどちらかにミスが生まれたり、適当な処理を行ってしまう。↓

こういったデメリットを生まないために必要なのがスラック(余地)です。

普段から思考に余白を作っておけば、選択の負担を回避することが楽になります。

ギリギリな状態で何かを選択するという負荷がかかると人はミスを起こしやすく負担が大きくなります。

失敗できる余裕を構えておくことが大事です。

③まとめ

人は目先のことに気を取られすぎてしまうと、近視眼的になり短絡的な選択肢をとってしまいがちです。

普段から選択できる余裕、リスクを考慮した計画を立てていくことで、思考に余裕が生まれ長期的には圧倒的な成果を生み出すことができます。

本著で述べられている欠乏は仕事だけではなく、お金や時間、食生活、人間関係などあらゆる場面で生まれうるもので、どんな事象でも当てはまることです。

1日の中でフリーな時間を作る、仕事の〆切をちょっと先に設定するなど今からでもできることはあると思うので是非「余裕」について考えてみてください!

記事について

執筆者情報
名前:なべちん
職業:営業
Twitter:https://twitter.com/beyondnabe
Instagram:https://www.instagram.com/nabechangrams/

この記事を書いた人

マグ

マグ

Twitterフォロワー数9万人の、読書系インフルエンサー。Voicyにて書籍紹介。1%読書術(KADOKAWA)著者