全ビジネスマンへ。10年の叡智を受け取ってほしい|仕事の教科書

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■書籍紹介

■書籍情報

タイトル:仕事の教科書 きびしい世界を生き抜く自分のつくりかた
著者名:北野唯我
出版社:日本図書センター
初版発行日:2022/3/25 

■「仕事の教科書」の概要

「ビジネスとは精神的な活動ではなく、フィジカルな作業の連続であると確信した
このように語るのは、「転職の思考法』や『天才を殺す凡人』などベストセラーを書かれた北野唯我さん。

「売上1兆円グループの大企業」
「世界三大外資系戦略コンサルティングファーム」
「スタートアップ」
という、3つの分野での経営戦略に携わってきた経験をもとに、実際に使っている仕事術の全貌を、一切出し惜しみすることなくまとめたのが本書「仕事の教科書」です。

まさに北野唯我さんの仕事術が詰まった最強の1冊。

今日もどこかで懸命に戦うあなたにこそ、読む価値のある書籍となっています。

■「仕事の教科書」は4部構成

CHAPTER1:「仕事が遅い人」と呼ばれないためのスピードアップ術
CHAPTER2:「わかりづらい」から脱却するための文章化術
CHAPTER3:相手から「Yes」を引き出すための提案術
CHAPTER4:健康と成長を両立させるためのセルフコントロール術

■「仕事の教科書」を読んでほしい人

・仕事が遅くて、いつも残業になり疲れている
・わかりやすい文章の書き方を知りたい
・相手に言いたいことがなかなか伝わらない
・なかなか提案ができずに悩んでいる
・つい頑張りすぎてしまって疲れる

■「仕事の教科書」の要約

①仕事の速さは「着手するタイミングがどれだけ早いか」で決まる

まず仕事が早い人は何が違うのか?

本書では、『仕事が早い=タイミングが早い』と書かれています。

これは本書でも1000回は読んでほしいと書かれているほど重要なことです。

では「タイミング(timing)」とは何なのか?「タイム(time)」とは違うのか?

じつは、この違いに気づいているか否かが、仕事が早い人になれるかどうか、最初の分かれ道になります。

答えはこうだ。タイミングは「いつやるのか?」という視点。
一方で、タイムは「どれだけ時間が、かかるか?」という視点だ。
しかし、この2つは、似ているようで全然違う。
その理由は簡単で、「タイムの問題は自分だけの問題」だが、「タイミングの問題は他社が関わる問題」だからだ。

P19

仕事にかかる時間は、あなたの努力次第で短くすることができます。

しかし、タイミングは他者も関わってくる。
極論的に言うと、タイムの問題は、あなたが徹夜をすれば乗り切ることができるが、一方でタイミングの問題は、取りかかる時間が遅ければ、他社にも影響を与えてしまいます。

つまり、どれだけあなたの仕事にかかる時間が短かったとしても、頼まれてから取り組むまでに時間がかかっていては、仕事が遅いと思われてしまうはず。

例えば、上司から定時までに資料の作成を頼まれたとします。
仮にあなたが1時間で終えられたとしても、提出が定時ギリギリなら、上司から仕事が遅いと思われてしまうわけです。
逆に終えるまでに2時間かかったしても、定時の2時間前に出せば仕事が早いと評価されます。

このように、仕事が早いと思われるために大切なのは、仕事にかかるタイムよりも、タイミングです。

これは言われてみるとそうですが、かなりハッとさせられました。
本書を読むまでの私は、言われた期日や時間通りに提出すれば問題ないと思ってました。

しかし、タイミングを意識して仕事に取り組むようになってから、社内での評価は間違いなく上がりました。

これは、仕事を速くするために、一番簡単かつ効果的なコツかもしれません。

そして、本書では、このタイミングをハックする具体的な方法論として3つ紹介されています。

1.すぐやる
2.すぐ出す
3.すぐ答える

「作業を振られたら、0.01秒でもいいので、いったん着手すること」
「締め切り期限より早く提出すること」
「その場で暫定でもいいので答えること」

これらを意識して、ぜひタイミングの早い人になりましょう!

②仕事ができる人の文章は「短く」「わかりやすい」

わかりやすい文章とは何か?
それは、まず読む相手に「目的」が伝わることです。

そして具体的には、以下の3つのどれかを相手に伝えてから、文章をスタートすることが重要だと書かれています。

1.相談があります=整理してほしいこと
2.これは情報共有です=知ってほしいこと
3.意思決定がほしいです=何かを決めてもらうこと

これらの文章が冒頭にあるだけで、今すぐ読むべきか?を判断できますよね。

忙しい上司ならなおさらです。
また、読み手からすると、これから先の文章を予想ができるので、ストレスがグッと下がるはず。

そしてとにかく文章を短く切ること。

本書では一文は40文字以内、できれば20文字以内に意地でも抑えよ」と書いてあります。
確かに、長い文章は、ゴールが見えず、どこへ連れていかれるのか最後まで分からない不安感があります。

結論から言うと、「究極的に美しい文章」とは「文字数に対する、情報量の割合が高い文章」だと思う。
言い換えると、「大量の情報が入っているのに、短くて、わかりやすい」ことだ。

P61

これを実践してからは、お客さんから「メールが読みやすい」と言われたり、すぐに返事をもらえることが格段に増えました。

これまでは、”〇〇について”などの文章から始めており、「いちいち読むのがめんどくさいから後で読もう」となっていたと思います。

しかし、本書の法則を実践してからは、伝わる文章が書けるようになり、その結果、成果につながっています。

③相手から「Yes」を引き出すための提案術

相手から「Yes」を引き出す提案をするために、まずやるべきこと。

それは、「問いの立て方」を身につけることです。

そのためには3つのフローが必要になります。

①ペインを探す
②最大の問いを設定する
③問いを分解する

ペインとは、相手の「目標」と「現状」との間のギャップを探すことであり、その差分をどのように埋められるのかを提案することこそが、相手から「Yes」を引き出すための重要な要素になると書かれています。

相手のペインを解消する提案をすることで、「不安がなくなった!」「悩みが解決した!」「満足できる!」というような、最終的ゴールを相手がイメージでき、相手は必ず「Yes」と答えてくれます。

本書を読んで「理想と現実のギャップ」を明確にすることを心がけるようになり、次のようにお客さんへの質問内容を変えてみました。

まずは現状はどんな取り組みをしているのか、どんなことに困っているのか、どんなことが成功しているのか、それらをしっかり質問します。

そして、現状を踏まえて、将来はどのようになりたいのか、どうなれば成功といえるのかを聞き出します。

意外にも、相手が未来像を明確にしているケースは少なく、質問することで明確化され相手に喜ばれるケースもあります。

最後に、現状と未来像とのギャップを確認。このギャップが相手のニーズとなり、提案で「Yes」を引き出すための重要な要素となります。

この質問は効果抜群で、精度の高い提案ができるようになり、大きな成果がありました。

④自分の「取扱説明書」をつくろう

本書では、自分の取扱説明書は2×2のマトリックスでできていると書かれています。

それは「ポジティブで日常的なこだわり」「ポジティブで非日常的なわくわく」を増やし「ネガティブで日常的な面倒事」「ネガティブで非日常的な怒りや悲しみ」を減らすこでであり、そのためのマトリックスが紹介されています。

確認ポイントとしては、ポジティブゾーンは、量と質の両方を最大化していくこと。

旅行の回数を増やすとか、本を読む時間を増やすなど。

逆に、ネガティブゾーンは、なるべくダメージを最小化すること。

例えば、嫌いな家事は、最近機械で大替するなど。このマトリックスを自分に当てはめて実践することで、求めていることが明確になり、「やること」と「やらないこと」がはっきりとわかりました。

本書ではより具体的な方法が書かれているので、この章を読むだけでも読む価値が十分にあると思います。

■「仕事の教科書」オススメする理由

読んだ感想を一言で表すとすると、「もっと早くこの本と出会いたかった」です。

本書では、著者が実践してきた仕事におけるメソッドを具体例をもって説明しており、また多くの全般的な仕事に当てはめられるため、全員にオススメできる一冊です。

そして、この記事ではまだお伝えできていない法則がまだまだ具体例とともに書かれているので、あなた自身の仕事に取り入れられそうなものが必ずあると思います。

また、仕事の進め方や、考え方に迷ったら読み返すときの本としてもオススメします。最後にこの言葉を引用して終わります。

この本で公開した仕事術は、私がこの10年かけて、膨大な時間とお金を使って獲得してきたものです。だから、この本に書かれたことを、もしあなたがすべて効率的に実践すれば、少なくともこれらの仕事術を獲得した時点の私を、追い越すことはむずかしくないと思います。

p154

記事について

執筆者情報
名前:のぶすけ
職業:WEBディレクター
Twitter:https://twitter.com/nobusukedesu

この記事を書いた人

マグ

マグ

Twitterフォロワー数9万人の、読書系インフルエンサー。Voicyにて書籍紹介。1%読書術(KADOKAWA)著者