運動は最高の万能薬|脳を鍛えるには運動しかない

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■書籍紹介

■書籍情報

タイトル:脳を鍛えるには運動しかない
著者名:ジョン J. レイティ
出版社:NHK出版
初版発行日:2009/3/20 

■ 「脳を鍛えるには運動しかない」の概要

「人生において成功するために、神は人に2つの手段を与えた。教育と、運動である。」
プラトンの一節からスタートするこの本は、医学博士であり、1998年から全米ベスト・ドクターの1人に選ばれ続けているジョンJレイティ氏。

彼の願いは、運動が脳の働きを向上させることを多くの人が知り、それをモチベーションとして積極的に生活の中に運動を取り入れることである。
運動すると気分がスッキリすることは誰でも知っている。
しかし、本当に理由は、心臓から血液が盛んに送り出され、脳がベストな状態になるからなのだ。

脳を最高の状態に保つには、体を精一杯働かせることが不可欠である。
本書は、体の活動が、人間の考え方や感じ方にとって、なぜ、そしていかに大切なのかを説明している1冊となっている。

■ 「脳を鍛えるには運動しかない」は、どんな人に向いているか

・運動習慣がないが、健康面が気になっている人
・ストレス、鬱など、心の病気を抱えている人
・健康的に年齢を重ねていきたい人

上記に1つでも当てはまるなら、ぜひ本書を手にとって、普段の生活習慣の中に運動を取り入れてほしい。

生活の中に、適度な運動を取り入れることで、人生をより充実させる事ができると実感できるはずだ。

■「脳を鍛えるには運動しかない」の要約

本書は、10章で構成されている。

今回は、第4章の「不安」と第9章の「加齢」を中心に取り上げる。

【不安 パニックを避ける】

アメリカでは、全人口の18%に当たる約4000万人が、病気と言えるほどの不安を感じている。

症状は多岐にわたり、深刻なストレス反応がもたらす身体的症状が認められている。

有酸素運動をすれば、不安が解消されるという事実は、昔から知られていた。

運動すると、体の筋肉が縮むので、脳に不安をフィードバックする流れが断ち切れる。
体が落ち着けば、脳は心配しにくくなる。

また、運動によってセロトニンが増え、落ち着き安心感を高めてくれる。

運動は、GABAの分泌も引き起こす。

GABAは、γアミノ酪酸の略語で、精神を安定させる神経伝達物質で、ストレスを緩和したり、眠りの質を高めたりしてくれる。車のブレーキのような役割を担ってくれるのだ。

有酸素運動(ウォーキングやジョギングなど)は、不安障害のどんな症状も大幅に和らげることが多くの研究で明らかにされている。

ただ、明らかに運動の量と不安の度合いには関係があり、激しい運動をする方が不安度は下がる。

また、運動をすることにより、立ち直りが早くなることも大きなメリットだ。

不安はコントロールでき、パニックを防げるということを運動を通じて学ぶことができる。
さらにおすすめの運動法は、

・誰かと一緒に運動すること→セロトニンの値が上昇する
・最低でも1日15分の有酸素運動
・激しい運動は不安による肉体的な興奮に対する感受性を和らげることができる。

あなたが不安を抱えているとしたら、すぐに有酸素運動を取り入れるべきです。

いきなり激しい運動は体にしんどいし、続かないでしょう。

ゆっくりと15分程度のウォーキングであれば、健康にも、脳にも、そして不安解消にも役立つはずです。

【加齢 賢く老いる】

1900年には、アメリカ人の平均寿命は47歳だった。

今日は76歳を上回り、高齢者は、急な病気ではなく慢性疾患で無くなることが多い。

平均寿命を超えて長生きする人にとって、もう一つ意識しないといけない問題がある。

高血圧
肥満
糖尿病

3大死因である心臓病、がん、脳卒中で亡くなる人は、この年代では61%にものぼる。

この原因を招くのが、喫煙、運動不足、栄養の偏りがこうした病気を招くことを知っているにも関わらず、ライフスタイルの中に運動が取り入れられないのは個人的にも残念で仕方ない。

肥満の人は普通の人の2倍、認知症になりやすい。

心臓病の人がアルツハイマー病になる確率が高い。

これは頭と体の繋がりが壊れた結果である。

認知症になる確率は、糖尿病の人は糖尿病の人は65%アップし、コレステロールが高いだけで43%も高くなる。

と、現代病への数字はこのくらいにしておいて、運動がこうした病気を予防することは以前から証明されているが、現在も65歳以上の3分の1の人は、自ら運動する習慣がない。

運動には、脳の老化を防ぐ効果がある。スーパーアスリートにならなくても、運動の恩恵は得られるのだ。

ほどほどの運動量、一週間に1時間半程度のウォーキングで構わない。

そうすれば、歳を取ることは避けられないが、惨めな衰えは避けることができるであろう。

歳を取ると、残念ながら体中の細胞がストレスへの適応力を失ってしまう。

運動は脳の回路の結合を増やして、成長するきっかけを与えてくれる。

血液の量を増やし、ニューロン(脳を構成する神経細胞)の活動と発生を促す。

老いた脳は、ダメージには弱いが、その分鍛えれば若いときよりも効果が大きい。

これは非常に魅力的なことだ。そのために適した運動を紹介すると、

・規則正しく続けること
→60歳以上は例外なく、ほぼ毎日運動することをおすすめする
・有酸素運動
→30分から1時間、最大心拍数の60から65%程度で運動する。
・筋力
→週に2回、無理のない重さで10回から15回を1セットとして3セット行う。
・バランスと柔軟性
→ヨガ、ピラティス、太極拳、ダンス、空手や柔道など。身軽でいることが大切。
・頭の体操
→小学生に読み書きを教える、本の読み聞かせを行う、ボランティア活動を行う。

本書は、それ以外にもストレスや依存症について、脳の仕組みと運動の関係が事細かに記されている。

長寿化が進む一方、不安定な社会情勢や世の中の変化により、心のバランスを崩してしまう人は少なくない。

そんな時、本書を手にすることで、絶大な安心感を得ることができるし、どんな症状に老いても「運動」という最高の薬が脳を鍛え、老いや病気に対して未然防止してくれることは間違いない。

本書は、人生を「健康」という資産で充実させる人生のバイブル的な1冊である。

■「脳を鍛えるには運動しかない」をおすすめする理由

便利さと忙しさが比例する現代社会において、子供の頃から取り組んできた「運動」が縁遠くなることが多い。

しかし、再度伝えたいです。運動は人生に潤いを与えます。

長生きリスクを解消する方法は、足元に転がっている。

本格的なジムに言ったり、パーソナルトレーナーを付けたりする必要はありません。

お金をかけずにできる最高の娯楽です。

運動を、毎日の習慣にして、健康資産を手に入れましょう。

■ 記事について

執筆者情報
名前:ちーた
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コメント:個別読書指導、書評動画制作をしながら、読書の良さを広めることと、読書を通じて子供たちの力を育む活動を行っています。

この記事を書いた人

マグ

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Twitterフォロワー数9万人の、読書系インフルエンサー。Voicyにて書籍紹介。1%読書術(KADOKAWA)著者