生産的な議論の10の原則 | CONFLICTED 衝突を成果に変える方法

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■書籍紹介

■書籍情報

タイトル:CONFLICTED(コンフリクテッド)衝突を成果に変える方法
著者名:イアン・レズリー

訳:橋本篤史
出版社:光文社
初版発行日:2022/2/22

■「CONFLICTED 衝突を成果に変える方法」の概要

あらゆる対立のもとでは、人間関係に関する暗黙の交渉がくり広げられている。

それを解決しないかぎり、会話がうまくいく望みはないーーーと語るのは、『子どもは40000回質問する』で話題となったノンフィクション作家、本書の著者こと、イアン・レズリー氏。

本書、CONFLICTEDは、生きた専門知識とコミュニケーション科学や認知心理学とを組み合わせ、数多くの面白い実例と研究を元に、生産的な対立について綴っています。

もしあなたが、

  • 職場や家庭での口論を前向きに進めたい
  • 意見の対立から具体的な成果を生み出したい
  • 他人と意見がぶつかった時、どうしたらいいか分からない
  • 意見の対立を恐れている

上記に一つでも当てはまるなら、ぜひCONFLICTEDを読み、前進や理解につながる対立方法を知ってください。

適切な状況下では、衝突が計り知れないほどの利益を生み出します。

子どもは親とオープンに意見をぶつけ合った方が幸せになれ、激しく議論する夫婦は対立を避ける夫婦よりも満ち足りた生活を送れます。

職場のチームワークにおいては人間関係を損なわず、より高いレベルで機能することができるのです。

何よりも悪いのは、険悪な議論を交わすことではない。議論自体がまったく交わされないことなのだ。

(引用p.20)

「CONFLICTED 衝突を成果に変える方法」の要約

ここでは本書に記された『生産的な議論の10の原則』から、「つながりを築く」「相手の”顔”を立てる」「台本なんていらない」の3つに触れていきたいと思います。

1.つながりを築く

会話の始まり方の微妙な違いが、その後の展開に大きな影響を及ぼすことが、様々な分野の研究者によって指摘されています。

では、どのように始めたらいいのか。

自分の聞きたいことはひとまず脇に置いて、その人と、その人の抱える問題を話題の中心に持ってきてみてください。

人は話をするとき、自分の考えだけを話しているのではなく感情を表しています。

そして本当に聞いてほしいのは感情の方なんです。

例)
威圧的な尋問にあっても、頑なに口を閉ざしたイラク人の密輸業者。
アメリカ陸軍大佐のクライマンは、彼がただひとつ、娘たちに電話をかけたいことを口にしたことに気づく。
クライマンの取り調べの番が回ってきたとき、尋問者と被拘留者ではなく、子どもを気にかけるふたりの父親として話しはじめた。
その後、イラク人は必要な情報を洗いざらい打ち明けた。

2.相手の”顔”を立てる

議論が不安定になる要因として「自分の顔に泥を塗られている」と感じた時が挙げられます。

そのとき、当人は内容を検討するかわりに自分の立場を確保しようと、相手を攻撃する方に向いてしまうのです。

対立が上手な人は、自分の顔だけでなく、相手の顔にも細かく気を配ります。

時には弱々しいと思われかねない行動をとるなど、自分の顔についてリスクを冒し、親しみやすい対話を目指す。

そうすることで、結果的に利益をもたらすことを知っているのです。

例)
暴行容疑のカルヴィン。
警官ウェンダーと、もうひとりの警官が彼の腕をつかみ、きみを逮捕すると告げた。
カルヴィンはもがいて戦う態勢に入る。
その大柄な体格と暴行歴を考えると、双方が負傷する自体に陥りかねない。
ウェンダーはカルヴィンに言った。
「なあ、きみの体はでかいんだ。われわれじゃ勝負にならないよ」

3.台本なんていらない

衝突が起こると人は物事を単純化しがちです。

最初は何らかのテーマについて話し合っていたはずなのに、いつしかお互いをめぐる口論になり、やがて会話は一本線のように単調なパターンに陥ってしまいます。

そんなときこそ、事前に用意した台本では答えられないような質問が必要です。

相手が予想もつかないことを言ってみたり、しばらく話題を変えてみるのもいいですね。

ポイントは意外性。

視点を変えたアプローチで状況を打破しましょう。

例)
車が音を立てて走り去る道路で、容疑者を追いかけていた警官の息が切れてきたころ、警官は立ち止まって叫んだ。
「おーい! これじゃこっちの体がもたないよ! 止まってくれ!」
犯人は立ち止まって振り返り、投降を受け入れた。

「CONFLICTED 衝突を成果に変える方法」の総括

ここで紹介したのは、ほんの一部。

本書には、意見の対立から具体的な成果を生み出す原則と秘密が、数多く記されています。

内容を理解したとき、対立は必ずしも避けるべきものではない、と感じることでしょう。

現状の「うまく対立できない」を脱し、ぜひ人生に活かしてみてください。

記事について

執筆者情報
名前:まっちゃ
職業:Kindle作家
「Lectio」小説読書会オーナー
作品:https://amzn.to/3UUnOWU https://amzn.to/3M11XZS
Twitter:https://twitter.com/maccya_book まっちゃ

この記事を書いた人

マグ

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Twitterフォロワー数9万人の、読書系インフルエンサー。Voicyにて書籍紹介。1%読書術(KADOKAWA)著者