人生とは時間の使い方そのもの|限りある時間の使い方

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■書籍紹介

■書籍情報

タイトル:限りある時間の使い方
著者名:オリバー・バークマン
 訳:高橋 璃子
出版社:かんき出版
初版発行日:2022/6/22 

■限りある時間の使い方」の概要

「本書は、時間をできるだけ有効に使うための本だ」「ただし、いわゆるタイムマネジメントの本ではない」—

と語るのは、著名な賞の受賞歴もあるイギリスの全国紙ガーディアンの記者のオリバー・バークマン氏。

そんな彼が書いた『限りある時間の使い方』は、時間の本質を説きながら、人生における時間のとらえかたを教えてくれる一冊となっています。

人の平均寿命を短い。80歳くらいまで生きるとして、あなたの人生はたった4,000週間だそうです。

そうだとすると、時間をうまく使うことが人の最重要課題になるはずです。

つまり、人生とは時間の使い方そのものだと言ってもいい。

それなのに私たちは、「仕事」「勉強」「睡眠」「運動」「食事」「SNSやゲーム」と、限られた時間の中でありとあらゆることをやりたがります。

そして沢山のことをやるために、時間を最大限有効に使おうと時間術のハウツーを調べたり、タイムマネジメントに取り組みますが、実はそれほど役に立たないと著者は言います。

それはなぜか?

それらのノウハウや技術は、大事な事実を見落としているからです。

それは…「時間を思い通りにコントロールしようとすればするほど、時間のコントロールが利かなくなる」という事実。

どういうこと?となりますよね。

例えば、超速でやることリストをこなせるようになったけれど、その結果、ありえないほど大量の仕事が舞い込んでくるようになったとか、メールを大量にさばけるように効率化したら、そのぶんメールの数が増えてしまったなど。生産性を高めようとするたびにタスクが増えていき、毎日仕事に追われ、本当に大事なことが、なぜかどんどん遠ざかってしまう。

あなたにも心当たりがあるはず…

もしあなたが

・毎日忙しく、時間に追われている
・時間を無駄にしたとよく考えてしまう
・毎日、生産性のことばかり考えている
・やりたいことが多すぎて、時間が足りないと感じる
・どこかにあせりがあり、時間を埋めることで、解消している

上記に一つでも当てはまるなら、ぜひ「限りある時間の使い方」を読んでみてください。

これまでの時間管理術に見切りをつけ、時間との関係を再考する絶好の機会になるはずです。

本書は 全15章で構成されています。

PART 1 現実を直視する
 第1章 なぜ、いつも時間に追われるのか
 第2章 効率化ツールが逆効果になる理由
 第3章 「時間がある」という前提を疑う
 第4章 可能性を狭めると、自由になれる
 第5章 注意力を自分の手に取り戻す
 第6章 本当の敵は自分の内側にいる

PART 2 幻想を手放す
 第7章 時間と戦っても勝ち目はない
 第8章 人生には「今」しか存在しない
 第9章 失われた余暇を取り戻す
 第10章 忙しさへの依存を手放す
 第11章 留まることで見えてくるもの
 第12章 時間をシェアすると豊かになれる
 第13章 ちっぽけな自分を受け入れる
 第14章 暗闇のなかで一歩を踏みだす
 エピローグ 僕たちに希望は必要ない
 付録 有限性を受け入れるための10のツール

■「限りある時間の使い方」の要約

絶対に覚えておかなければいけないのは、私たちの人生は驚くほど短いということ。

今回は、本書の中から特に重要なポイントに絞って解説していきます。

できないことがあることをまずは受け入れる

時間は限られていて、1日にできることにも限界がある。

まずはそれを受け入れること、つまり「何もかもはできない」と認めることが大切です。

自分がやりたいことも、他人に頼まれたことも、すべてをやっている時間はない。

だからこそ、それを認めて生きてください。

そうすれば、少なくとも多くのことができなくても無駄に自分を責めなくてすみます。

■やらないことを決めて、やるべきことを絞る(重要なこと)

やるべきことはいつだって多すぎるし、これから先もそれはきっと変わらない。
そのなかで心の自由を得るための唯一の道は、「全部できる」という幻想を手放して、ひと握りの重要なことだけに集中することだ。

本書より

限られた時間ですべてをやろうとするのではなく、やらないことをいかに選ぶか。また、重要なことが多すぎてもそれはそれで問題があります。
これまで多くの時間管理本では、やりたいことは全部できるとうたっていて、それを私たちは信じ、なんでもできるという幻想を強化してしまっています。

そこで、あなたが本当に重要なやるべきことを見極めるための3つの原則を紹介します。

タスクを上手に減らす3つの原則

第1の原則:まず自分の取り分をとっておく

まずはスケジュールに自分の時間を記入し、確保してください。そうしなければ、どんどん他のことに時間を使ってしまい、本当に大事なことができなくなります。
余った時間でやりたいことをやろうと思っていても、絶対に余らない。本当にやりたいことがあるのなら(創作活動でも、恋愛でも、社会運動でも)、確実にそれをやり遂げるための唯一の方法は、それを実行することです。そのためにも、朝の7〜8時は絶対に自分のやりたいことをするなどと決めて、時間を確保しておきましょう。

第2の原則:「進行中」の仕事を制限する

「進行中」の仕事を3つまでに制限すること。

そしてもっとも重要な3つのことを選択したら、そのうちの1つが完了するまで他の仕事は一切やらない。

どれか1つ仕事が終われば、空いた枠に別の仕事を入れてもいいです。

第3の原則:優先度「中」を捨てる

優先順位が中くらいのタスクは、邪魔になるだけです。

いつかやろうなどと思わないで、ばっさりと切り捨ててください。

なぜならそれらは人生のなかでさほど重要ではなく、それでいて、重要なことから目をそらすくらいには魅力的だからです。

具体的には、人生でやりたいことのトップ25をリストアップし、それをもっとも重要なものから重要でないものへと順番に並べて、そのうち上位の5つに時間を使うことです。

■未来ばかりを追って、今この瞬間を犠牲にする人生は止める

過去を振り返っても過去は変わることはなく、未来に不安を感じて準備しても不安がなくなることはありません。

理想の未来を実現しようと、今頑張ることが当たり前のようになっていると思いますが(私もしかり…)、ぶっちゃけ未来なんてどうなるかわからないし、ましてや自分でコントロールすることはできません。

それならば、ただ静かに目の前のやるべきことをやる

それはいつでも意味のあることであり、一歩を踏み出したときに、そこに道ができる。

そうやって自分の人生が作られていくはずです。

■退屈や集中できない言い訳として、SNSなどの逃避行動をするのをやめる

私たちは「何もしない退屈な時間」を嫌います。

退屈とは「ものごとがコントロールできない」という不快な事実に直面したときに出る反応だそうです。

うまく進まないことや、不快な時間から逃れるためについ気をまぎらわせるためにSNSなどを見てしまうのはそれが原因。

これはSNSに限らず、眠くないのに昼寝をしたり、なぜかやることリストを整理したり(私はよくやりがち…)など、とにかくなんでもいいから、大事なことに集中しないための方法を探そうとします。

退屈から気をまぎらわさず、重要なことをやり遂げるためには、ただ思い通りにいかない現実を受け入れて、今目の前のことをするしかないそうです。

退屈や苦痛を否定せずに、気晴らしに走らず、今の気持ちと向き合ってください。

■「限りある時間の使い方」から学べること

人生とは、時間の使い方そのものです。

こう言うと、限りある時間を最大限有効に使うためのハウツーやタイムマネジメントが必要だと思いますが、本書では、時間の有限性を受け入れ、やりたいことだけに集中するマインドと方法を知ることができます

「自分自身とのアポイントメントを入れる」「進行中の仕事を3つ程度に制限する」などといった、タスクを上手に減らす工夫を取り入れながら、本当にやりたいことに集中し、これからの生き方について深く学べると思います。

現代人がおちいりがちな時間に関するあらゆる悩みに対して、その原因や理由に答えている良書。

私と同じように、無駄な時間を嫌い、時間効率ばかり考えてしまう人には特におすすめします。 

記事について

執筆者情報
名前:のぶすけ
職業:WEBディレクター
Twitter:https://twitter.com/nobusukedesu

この記事を書いた人

マグ

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Twitterフォロワー数9万人の、読書系インフルエンサー。Voicyにて書籍紹介。1%読書術(KADOKAWA)著者