ニュースは害になる? | News Diet

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■書籍紹介

■書籍情報

タイトル:News Diet
著者名:ロルフ・ドベリ
 訳:安原実津
出版社:サンマーク出版
初版発行日:2021/2/20 

■「News Diet」の概要

ニュースの消費を抑えることは、何かを断ち切るつらい行為ではけっしてない。その逆だーーー

と語るのは、1966年、スイス生まれ。

30代前半でスイス航空の子会社数社で最高財務責任者やCEOを務めた経歴の持ち主。

『Think clearly 最終の学術研究から導いた、よりよい人生を送るための思考法』
『Think Smart 間違った思い込みを避けて、賢く生き抜くための思考法』
『Think right 誤った先入観を捨て、よりよい選択をするための思考法』

と、あらゆるベストセラーを生み出した作家であり実業家、本書の著者こと、ロルフ・ドベリ氏。

本書、News Dietは、掲載された年に最も読まれた記事「ニュースは害になる」をベースに、ニュースの消費が害になる理由、ニュースの悪影響を示した学術研究、ニュースに対する欲求をコントロールして克服するためのヒントを綴っています。

もしあなたが、

  • ニュースが生活の一部になっている
  • ネット記事が気になってスマホが手放せない
  • ニュースを読まないなんて有り得ないと思っている
  • 本当はニュース断ちをしたい

上記に一つでも当てはまるなら、ぜひNews Dietを読み、ニュースが及ぼす影響を知ってください。

知らない間にニュース中毒になってしまうと、薬物中毒やアルコール中毒と同じように心身に害を及ぼします。

その半面、ニュースを断ち切った先には、さまざまな恩恵が待っています。

時間の余裕ができ、ものごとの本質を掴むことが可能になる。

さらにイライラすることが減り、決断の質が上がるようになるのです。

デジタル化により、いまやニュースは無害な娯楽媒体から人間の健在な理解力を損なう大量破壊兵器に変化している。

■「News Diet」の要約

ここでは本書に記された中で「能力の輪」「思い違いの強化」「長い文章が読めなくなる」の3つに触れていきたいと思います。

1.ニュースは能力の輪の外にある

「人は、能力の輪の内側にあるものには習熟できるが、輪の外側にあるものは理解できないか、ほんの一部しか理解できない」

上記は投資の神様、ウォーレン・バフェットが使っている「能力の輪」という概念です。

建築家であっても、医者であっても、能力の輪の内側にある専門メディアには目を通した方がいいです。

ですが、どこかの国の大統領が別の国の大統領と握手したとか、人気アイドルの不祥事が発覚したとか、それがあなたにどんな関係があるのでしょう。

能力の輪を意識しながら生活すると、メディアの99%はあなたに無関係だということが分かるはずです。

能力の輪の外側にある情報を消費するのは、時間の無駄に加え、集中力を低下させる原因になります。

さらに脳を覆うガラクタが多くなると、その分あなたが本当に知らなければいけない情報のための場所が少なくなるのです。

広い知識よりも深い知識を。

「自分の能力の輪を知り、そのなかにとどまること。輪の大きさはそれほど大事ではない。大事なのは輪の境界がどこにあるかをきちんと把握することだ」(ウォーレン・バフェット)

2.ニュースは思い違いを強化する

ここで質問です。

「3、6、9、12……」次にくる数字はなんだと思いますか?

多くの人が「15」と答えたかもしれません。

ですが「14」でも「52」と答えても良かったのです。

いやいや、どう考えても3の段だろう!とツッコミたくなるかもしれませんが、適用ルールは「次の数字は前の数字よりも大きくならなくてはならない」という可能性だってあったのです。

私たちは自分のお気に入りの見解に反する情報は排除する一方、自分の確信を後押しする情報には敏感になります。

自分の都合のいい情報ばかり集めてしまう「確証バイアス」を強化するのがニュースなのです。

特にソーシャルメディアは、やっかいです。

たとえばフェイスブックでは、あなたが見たいものや聞きたいことを推測して、ふさわしいものだけを表示します。

一見利点のように思えますが、もしもあなたの意見が間違っていたとしたら……

それでも異なる情報を目にすることはないのです。

だってあなたが見たいものではないのですから。

結果的に自信過剰に陥りやすくなり、落とし穴にハマってしまいます。

3.長い文章が読めなくなる

脳のある領域が発達すると、それにともなって別の領域が退化することが研究で分かっています。

ということは、ニュースを消費すると脳はどうなるのでしょう。

短い情報に目を通すときに必要な脳の領域を鍛えることはできます。ですがそれにともない、長い文章を読むことや思考をつかさどる回路が退化していくんです。

自分は読書家だから大丈夫だよ!と安易に捉えてはいけません。

かつては大の読書好きだったとしても、ニュースを消費すればするほど、長文記事や本を読むことができなくなるんです。

数ページ読むと疲れてしまい、注意力が落ちてソワソワしだすという驚きの事実。

集中し、疲れを感じずに本や長文記事が読みたいなら、ニュースとは距離を置いた方が健全です。

最後に

6、7年ほど前まで、私も毎日のようにニュースを見ていました。

生活の一部になっていたニュースは、時間を無意味に消費させ、切り取られたごく一部の内容だけで納得し、今も自分の役に立っている知識はほぼ皆無。

後になって気づきますが、何よりストレスが溜まっていたのです。

現在ニュースをほとんど見ていませんが、特に支障はありません。

本当に大切な情報は、適切なタイミングで耳に入るものなのですから。

記事について

執筆者情報
名前:まっちゃ
職業:Kindle作家
   「Lectio」小説読書会オーナー
作品:https://amzn.to/3UUnOWU https://amzn.to/3M11XZS
Twitter:https://twitter.com/maccya_book まっちゃ

この記事を書いた人

マグ

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Twitterフォロワー数9万人の、読書系インフルエンサー。Voicyにて書籍紹介。1%読書術(KADOKAWA)著者