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■書籍紹介
タイトル:ヒトが持つ8つの本能に刺さる 進化論マーケティング
著者名:鈴木祐
出版社:すばる舎
初版発行日:2022/8/4
■進化論マーケティングの概要
モノを売る行為とは、すなわち「私たちの欲望はどこから来たのか?」を知ることにほかならないからです。
このように語るのは…
10万本の科学論文の読破と600人を超える海外の学者や専門医へのインタビューを重ねつつ、ベストセラー本を連発するサイエンスライターが解説する、最新研究のエビデンスに基づくいた、本能を撃ち抜く「進化論マーケティング」を解説した実践書です。
「進化論マーケティング」とは、
ミシガン大学やミネソタ大学といった一流機関が「ヒトの欲望とはどのようなものか?」を徹底的に調べ抜き、その答えをマーケティングに落とし込んだものです。
もともと、商売という営みは、何らかのモノやサービスによって、私たち人類の欲望を満たそうとする体系的な試みにほかなりません。
となれば、ヒトの欲望をできるだけ精密に理解できた者ほど、大きな利益を得やすいのは当然のこと。
近年ではアップルやマッキンゼーといった企業も経営手法の1つに採用しているほどです。
本書は、メンタリストDAIGOさんの論文のリサーチを担当しているほど、最新の科学や研究を知り尽くした鈴木祐さんが、最新のマーケティング理論をゴリゴリにまとめて体系化した一冊。
■進化論マーケティングは4部構成
ステージ1:すべての人類が持つ8パターンの本能をチェック。
私たちがどのような欲望を持ち、どのような対象を欲しくなるのかを学ぶ
ステージ2:あなたのビジネスが、具体的にどの本能に”刺さりやすい”のかを調べていきます。
ユーザーが抱く真の欲望を探り、あなたの商品やサービスだけが持つ”売り”を深掘りします。
スタージ3:あなたのビジネスや商品がより売れるものにするために、商品やサービスを鍛えることのできる「質問の技法」を紹介
ステージ4:ユーザーの体験をデザインします。あなたの商品やサービスを使うプロセスの魅了を高め、リピーターを増やすワークを紹介
■どのような人でもメリットが得られる
・副業で安定収入を得たい人
・斬新な商品を開発したい人
・今の仕事の業績を上げたい人
・SNSでバズを狙いたい人
進化論と言われると難しそうに思われるかもしれませんが、本書の内容は、専門家しか使えないテクニックを並べたものではありません。
すでに何らかのビジネスを始めている人はもちろん、どのような人でもメリットが得られます。
つまり、「自分の力で他人を動かしたい」という欲求を持った人であれば、どんなケースでも役に立ちます。
■進化論マーケティングの要約
進化論マーケティングのテーマはずばり「ヒトの欲望とは何か?」を突きつめていくこと。
それは私たちが理性によって認識できる欲望だけではなく、もっと本質的な欲望、つまり生物としてもともと備わっている本能を理解することが必要になります。
それを理解することができれば、ユーザーの心に深く潜り込み、幸福度を高めて、より良い商品やサービスを届けることができるはずです。
ヒトの欲望がどのような場面で発動し、どのように駆動するかがわからなければ、商売は成り立ちません。
進化論マーケティング P28
モノを売る行為とは、すなわち「私たちの欲望はどこから来たのか?」を知ることにほかならないからです。
ただし、欲望を認識するのはそう簡単ではありません。
一番わかりやすい事例で言えば、高級品を買うときの気持ちです。
10万円のシャツや100万円の時計など、世の中には無数の高級品が存在します。
10万円のシャツが1万円のシャツよりも機能が10倍も高いことはないですよね。
ではなぜ買うかというと、「有名人が紹介していたから」「たまたま衝動買いしたから」「他人に見栄を貼りたいから」など、いくつか理由が思い浮かびます。
ただ、これはあくまで表面的な理由に過ぎません。実は、私たちが意識として認識できていない欲望が深く関わっています。
ここで本書では面白い実験が紹介されています。
研究チームは、異性愛者の男性を集め、そのうち半数には魅力的な異性の写真を見せ、残り半分には一般的な建物を見るように指示。
進化論マーケティング P23
そのあとで、すべての参加者に「いま2,000ドル使うとしたら、どのようなものを買いますか?」と尋ねました。
つまり研究チームは、性的なイメージを刷り込まれた男性は、その後の買い物の仕方が変わるのではないかと考えたわけです。
果たして、結果は予想通りでした。魅力的な異性の写真を見た男性ほど高級品を欲しがり、低価格の商品にはお金を払う気がなくなったのです。
その他にも
・セクシーな衣装の女性を目撃した男性は、世間的に”ステータスが高い”とみなされている商品(高級品や高級ブランド)の購入意識が高まった。
・魅力的な異性の写真を提示された女性は、心臓病のリスクがある危険なダイエット薬を服用する欲求が高まった。
ここからわかることは、自分が意識した上で商品を選んでいるわけではなく、意識できないレベルで起きた本能による働きによって、私たちの商品選びや行動が決定づけられていることです。
これはとても面白いと思いました。
私は普段、仕事でホームページを作っているので、自分のビジネスに置きかえて考えてみました。
男性をターゲットにした高級品を紹介するサイトを作る場合には、ページ内に魅力的な女性の写真を入れてみると購入率が上がるかもしれません。
こう考えると、あなたのビジネスにも色々転用できるかもしれません。
「じゃ〜いったいその本能とは何ですか?」と思いますよね。
本書では、基本的なヒトの本能が8つあると解説されています。
8つのヒトの本能
①安らぐ
②進める
③決する
④有する
⑤属する
⑥高める
⑦伝える
⑧物語る基礎本能を使って、以下のポイントを考えるそうです。
ポイント1:あなたの商品が刺さる本能を見極める
ポイント2:あなたの商品が刺さる本能の種類を増やす
つまり、商品を設計するときに、その顧客のどこの本能に刺さっているのか考えて、さらに刺さる種類を増やしていくことが大切なんですね。
■進化論マーケティングをオススメする理由
この書籍は、私たちが生まれながらに持つ本能を掘り下げ、消費者の欲望を分析するトレーニングができるようになっています。
実践本としてワークをこなしていくことで、自分の商品をより魅力的に魅せる方法がイチから丁寧に書かれており、手間は掛かかりますが、それ以上に効果絶大だと思います。
最後にこの言葉を引用して終わります。
本書の内容は、たんに知識を伝えるだけではなく、あくまでもあなた自身が脳に汗をかき、実際に手を動かし続けるためのワークブックとして構成しました。つまり、本書の内容を使いこなすには、人間の本能を考え抜き、すべてのワークシートに頭をひねり、あなただけのアイデアが生まれるまで粘り続け、正解が出るまで実践と検証を繰り返せねばなりません。
いかにも難事のようですが、その苦労に挑む価値が十分にあります。
記事について
■執筆者情報
名前:のぶすけ
職業:WEBディレクター
Twitter:https://twitter.com/nobusukedesu