現代社会の生きづらさ|傲慢と善良

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■書籍紹介

■書籍情報

タイトル:傲慢と善良
著者名:辻村深月

出版社:朝日新聞出版
初版発行日:2019/3/5

■傲慢と善良/辻村深月

傲慢と善良とは

姿を消した婚約者の居場所を探すため、彼女の過去と向き合い、自分自身とも向き合っていきます。

テーマは婚活や恋愛ミステリとなりますが、現代社会における生きづらさ、心に秘めたあらゆる悩みにも答えてくれる小説です。

著者紹介

1980年、山梨県生まれ。千葉大学教育学部卒。

2004年『冷たい校舎の時は止まる』でメフィスト賞を受賞し、デビュー。11年『ツナグ』で吉川英治文学新人賞、12年『鍵のない夢を見る』で直木賞、18年『かがみの孤城』で本屋大賞を受賞。

他、『琥珀の夏』『嘘つきジェンガ』など多数。

主な登場人物

  • 西澤架:真実の婚約者。39歳。東京育ち。
  • 坂庭真実:架の婚約者。35歳。30歳を過ぎて、群馬から東京へ上京。

あらすじ

「あいつが家にいるみたい。助けて」真実が泣きながら、架に電話をかけた日から2ヶ月。

架が家に帰ると、真実の姿がどこにも見当たらない。

警察に相談するも、事件性が低いと告げられる。

居場所を探すため、真実の生まれ故郷、群馬に向かう架であったが…。

真実はどこにいるのか。なぜいなくなったのか。

そして、ストーカーと呼ばれる「あいつ」とは?

作品のポイント

【内に眠る傲慢と善良】

婚活を通して語られた、同じ人の中に存在する傲慢と善良。

心がえぐられ、だけど決して目が離せないのは、自分の中にある傲慢さに気づいてしまったからです。

「現代の結婚がうまくいかない理由は、『傲慢さと善良さ』にある」の意味を理解したとき、美徳であるはずの善良の見方さえも変えてしまいます。

【選ぶということ】

「試され、選ばれるように努力しながら、選ばれ、落とされる」人が何かを選ぶとき、心の中で起きてる状態を細部にわたって紡いでいます。

これまでに「ピンとこない」の感覚に苦しめられたことがあるなら、心の真ん中に刺さる模範解答がここに。

総括

自分ですら気づかない心の奥に潜んだ思いを、これでもか!というほど鮮明に言語化しています。

生きていく中で大切な、選択と決断。迷い、苦しみ、立ち止まったとき、本作品を手に取ってみてください。

自分の内面を見つめたくなりますよ。

記事について

執筆者情報
名前:まっちゃ
職業:Kindle作家
「Lectio」小説読書会オーナー
作品:https://amzn.to/3UUnOWU
https://amzn.to/3M11XZS
Twitter:https://twitter.com/maccya_book

この記事を書いた人

マグ

マグ

Twitterフォロワー数9万人の、読書系インフルエンサー。Voicyにて書籍紹介。1%読書術(KADOKAWA)著者