本記事は、読書コミュニティLectioにて、メンバーが作成した記事です。
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■書籍紹介
タイトル:運動脳
著者:アンデシュ・ハンセン 訳:御船由美子
出版社:サンマーク出版
初版発行日:2022/8/19
■「運動脳」の概要
生物学的には、私たちの脳と身体はまだサバンナにいる。
私たちは本来、狩猟採集民なのであるーーーと語るのは、「スマホ脳」「最強脳」など数々のベストセラーを生み出してきたスウェーデンの精神科医アンデシュ・ハンセン氏。
本書「運動脳」も発売されわずか2ヶ月で67万部を超える大ベストセラーとなっています。
驚きなのが人口1000万人のスウエーデンで67万部を超えているというところです。
本書は、運動することが脳にどのようにいいのかを解説してくれています。
本書を読んだらすぐ運動したくなること間違いなしです。
■「運動脳」をおすすめしたい人
●ストレスに強くなりたい方
●集中力を取り戻したい方
●若々しくずっと健康でいたい方
●運動しなきやと思っていて中々行動に移せていない方
■「運動脳」の要約
今回は
①「なぜ運動で脳を鍛えられるのか」
②運動で得られるメリット「ストレス」「集中力」
③「最強の脳内物質BDNF」
に触れていこうと思います。
①なぜ運動で脳を鍛えられるのか
私たちが何かを感じたり、考えたりして意思決定を行い、行動にうつす時の脳の活動はニューロン(神経細胞)という細胞に支えられています。
そしてその数はなんと1000億個ほどあります。
ここでニューロンの形を見ていきます。
まずはなぜ運動で脳を鍛えられるのか見ていきます。
その前に脳がスムーズに機能する条件というものがあります。
何だと思いますか?
脳細胞の数が多いこと?脳の大きさ?違います。
それは脳の各領域(前頭葉や頭頂葉)がしっかりと連携していることです。
数百人の被験者の脳を最先端の技術で検査した結果、「記憶力が優れている」「集中力がある」「喫煙、飲酒に対する自制心が高い」などの特質を備えた被験者は脳の領域がしっかりと連携していました。
一方、「かっとなりやすい」「過剰な喫煙」「依存」などの特質を持つ人は脳内の連携がよくありませんでした。
この脳の連携こそ身体のコンディションなのです。
ここで運動の出番です。
運動をすることでこの連携を強化できるのです。
なぜ、運動が脳に良いのか。
原始の暮らしを見れば明らかです。
原始の時代は身体を動かさなければ食糧が手に入らず、生き延びることができませんでした。
それゆえ原始の時代から約1万2000年。
私たちは身体を動かす作りになりました。
しかしここ100年で環境ががらりと変わり、現代では、家にいてもボタン一つで美味しい食べ物が届きます。
進化の過程においては大きな変化が起こるまでには途方もない時間がかかるといわれています。
つまり100年は短すぎるのです。
これが私たちの脳がいまだにサバンナにいると著者がいっている理由です。
なぜ運動で脳を鍛えられるのか。
まとめると、
・運動をすることで脳内の連携を高めることができるから ・私たちの脳は今だにたくさん動いていた原始時代の作りになっており、身体を動かすことで脳が敏感に反応するからです。
24時間人類史という面白いものがありました。人類の歴史を1日にたとえたものです。
インターネットが開通した時間は23:59:59でした。
②運動のメリット
ここからは運動することで享受できるものをみていきます。
運動のメリット1 :ストレスに強くなる
フィンランドで3000人を超える被験者の協力を得て、生活習慣を調べる研究調査で週に2回以上運動をしている人は、ストレスや不安とほぼ無縁であることがわかりました。
チリの調査でも同様の結果が得られました。
まずはストレスとは何か見ていきます。
私たちの身体には「HPA(視床下部・下垂体・副腎軸)軸」というものが備わっています。
脳が脅威を受けると視床下部がホルモンを放出して下垂体を刺激する。
すると下垂体が別のホルモンを放出しそれが副腎を刺激する。
すると副腎はストレスホルモンの「コルチゾール」を放出する。
ここまでわずか1秒です。
ストレスは適度なら集中力を上げてくれますが、過剰になると混乱しパニックになります。
原始の時代ではそのパニックが命取りです。
そのためストレス反応を緩和して、興奮やパニック発作を防ぐブレーキが私たちには備わっています。
それが「海馬」と「前頭葉」です。
運動をすることで「海馬」と「前頭葉」が鍛わり、ストレスに対するブレーキが強くなり、ストレスに強くなるということです。
具体的に運動でストレスに強くなるプロセスを見ていきます。
まずランニングやら運動をすると、それを続けている間はコルチゾールの分泌量が増えます。
身体を動かすために血流を増やそうと心臓の鼓動が激しくなり、心拍数と血圧が上昇する。
このストレス反応は正常です。
しかし運動を終えるとストレス反応は必要ないのでコルチゾールの分泌量は減り、運動を始める前のレベルに下がっていきます。
運動を習慣づけるとやっている時のコルチゾールの分泌量は次第に増えにくくなり、終えた後に下がる量は増えます。
更に定期的に運動を続けていると、運動以外のストレスを抱えても、コルチゾールの分泌量はわずかしかあがらなくなっていきます。
運動することでストレスに対して過剰に反応しないよう身体を躾けられるのです。
ちなみにイライラすると「海馬」が心配しすぎると「前頭葉」が萎縮することが分かっています。
ストレスが慢性化するとどんどんどんどんストレスに弱くなっていきます。
・このメリットを享受する運動プラン
ランニングやスイミングなどの有酸素運動を30〜45分(少なくとも20分)を週に2〜3回行う。
運動のメリット2:集中力を取り戻せる
・週に3回、45分、トレッドミルでウォーキングを行うグループ
・身体にあまり負荷のかからないストレッチやヨガを行うグループ
2つのグループに分けて半年後の脳を調べた。
その結果、前者は選択的注意力が改善し、前頭葉と頭頂葉が活発化していた。
集中力を保つために欠かせない物質は「ドーパミン」です。
ドーパミンが不足すると周囲の音に気を取られ、目の前のことに集中できなくなり、苛立ってきます。
集中力を高めるにはこのドーパミンの分泌量を増やす必要があります。
その方法は身体を動かすことです。
更にウォーキングよりもランニングの方が適しています。
ドーパミンが分泌される理由は生き延びるための行動(食事、性行為等)を報酬として与え、また繰り返し行動したくなるように促すためです。
ではなぜ運動でもドーパミンが分泌されるのでしょうか。
それは私たちの祖先が狩猟や住処を探すときに走っていたためです。
この走る行動が生き延びる行動であったため、脳が報酬を与えるようにしたのです。
運動をした直後はドーパミンの分泌量が増え、運動を終えた数分後にも分泌量が上がり、その状態が続きます。
運動後には感覚が研ぎ澄まされ、集中力が上がり、心が穏やかになり、頭の中がすっきりします。
ある研究によればわずか5分ほど身体を活発に動かすだけでも集中力が改善するということも分かっています。
集中力が切れたなという時は5分間身体を動かしてみるのも良さそうです。
・このメリットを享受する運動プラン
最大心拍数70〜75%程度の運動を朝に30分ほど行う。
③最強の脳内物質BDNF
BDNF(脳由来神経栄養因子)は主に大脳皮質や海馬で合成されるタンパク質です。
医学の研究者たちはこの物質を「奇跡の物質」と呼んでいます。
BDNFの役割
・脳細胞を守る ・新たに生まれた細胞を助け、初期段階にある細胞の生存や成長を促す役目
・脳の細胞間のつながりを強化し、学習や記憶の力を高める
・脳の可塑性を促して細胞の老化を遅らせる働き
他にも数え切れないメリットがあります
このBDNFを増やせる方法があります。
運動です!!!
更に運動の中でも有酸素運動です。
有酸素運動の中でも特に「インターバル・トレーニング」が適しています。
筋力トレーニングでは同じ効果を得られないとされています。
「運動脳」の総括
いますぐ外に出て走りましょう!!
運動をしない理由が見当たりません!
記事について
■執筆者情報
名前:れお
職業:ITエンジニア
Twitter:https://twitter.com/reotyall