本記事は、読書コミュニティLectioにて、メンバーが作成した記事です。
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■書籍紹介
タイトル:超一流の食事術
著者:アイザック・H・ジョーンズ
出版社:サンマーク出版
初版発行日:2016/4/30
■「超一流の食事術」の概要
ハリウッドスター、スポーツ選手、有名企業の経営者。
なぜ世界のエグゼクティブたちは「食事」を重視しているのでしょうか?
彼らは競争の激しい世界に身を置いています。
そのため日々優れた判断力や生産性を発揮し続ける必要がありそれらを発揮し続ける必要があります。
そのために頭と体、心の機能が十分に機能させる源となる「食事」を大事にしているのです。
著者アイザック・ジョーンズ氏は現在ヘルスドクターとして各国のハリウッド俳優やサウジアラビアの王族など年200人以上のトップエグゼクティブの健康を行っておられます。
そんな彼ですが少年時代「発達障害」の診断を受けており、特別クラスに在籍していたようです。
テストの成績は散々で全く集中力がなかったと語っています。
しかし、彼はある食事法を実践した所たった4ヶ月で成績がオール5になり、20歳の時にはインターナショナル・アカデミック・スカラシップを獲得してアメリカのライフ大学の大学院に飛び級で進学しています。
ある食事術を実践したおかげで奇跡のような出来事が起こったのです。
その食事術とは「糖質を控えて良いアブラを摂る」です。
■「超一流の食事術」をおすすめしたい人
・集中力がなくて悩んでいる人
・肌の調子が悪くて悩んでいる人
・1日の終わりに体がぐったりと疲れている人
・仕事の生産性をあげたいと思っている人
・ダイエットを考えていて綺麗に痩せたい人
■「超一流の食事術」の要約
①本書の食事術を実践することで得られるメリットとその理由
●メリット
1.疲れにくくなる
2.病気を遠ざける
3.太らない
4.健康的で若々しくなる
5.脳がクリアに機能する
改めて本書の食事術の内容は「糖質を控えて良いアブラを摂る」です。
ポイントなのは「良いアブラ」をとるという所です。
●良いアブラのポイント
・加工工程が少ない
・自然に近い状態
・古くなって酸化していない
例:グラスフェッドバター、グラスフェッドギー、ココナッツオイル、エキストラバージンオリーブオイル、えごま油、あまに油、MCTオイル
ではなぜ「良いアブラ」をとると上記のようなメリットを得られるのでしょうか。
それは
●理由
・人間の体にある60兆個もの細胞の細胞膜が、アブラでできているから
・脳の重さの60%を脂肪がしめているから
です。
このアブラを全て「良いアブラ」で形成することができれば脳の機能が十分に発揮されるし、細胞がしっかりと動くということです。
一方、糖質を控えるのはなぜでしょうか。それは、
・糖質が「良いアブラ」の働きを邪魔するから
です。元々私たちは、糖質をエネルギー源として動くようにできていません。この部分は後述いたします。
②本書の食事術の目的
目的は「私たちの体を糖質をエネルギー源として使うシュガーバーニングの状態から、脂質をエネルギー源として使うファットバーニングの状態に作りかえる」ことです
本来、私たちの体は糖質をエネルギー源として使うようには作られていません。
原始の時代に遡るとわかりますが、昔は食べ物のほとんどは狩りで獲ってくる動物や魚などのタンパク質と脂質でした。
そして今ほど食料が充実していなかったのでいつなくなるかもわかりません。
その状況で今ある食糧をありったけの燃料に変えて巨大な脂質の燃料タンクに蓄えていました。
私たちが糖質からエネルギーを得るようになったのは、穀物を栽培し始めた約1万年前からです。
時間の比率 399:1=脂質:糖質
比率だけで見ても私たちの体が糖質をエネルギー源に適していないのがわかります。「糖質を取らないと頭が働か
ない」とよく聞きますが、そんなことはないのです。
脂質をとっていくらでもエネルギーを摂ることができます。
しかもその方が体にとっては自然なことなのです。
更にもう一つ糖質ではなく脂質をエネルギー源にすべき理由を見ていきます
2つのタンクをイメージしてみてください。
1つは糖質のタンク。もう1つは脂質のタンクです。
それぞれのタンクにはいくらまでエネルギーを貯蔵できると思いますか?
答えは
糖質タンク=2000キロカロリー
脂質タンク=4万キロカロリー
脂質タンクの方が20倍近くも貯蔵できるのです。
人が1日に消費するカロリーは2500キロカロリーほどとききます。
糖質をエネルギー源にしていると全然足りません。
1日の終わりにぐったりなるのがうなづけますね。
③糖質の弊害
ここでは糖質が私たちにどのような悪影響を及ぼしているのか見ていきます
●糖質の悪影響その1
まずは①でも記述した「シュガーバーニング」に依存した体になるという点です。
私たちの体は「ファットバーニング」に適していると言いましたが「シュガーバーニング」依存していることでエネルギーの供給が不安定になり集中力の低下や糖尿病などを引き起こします。
糖質を摂った時に体内で起きていることを見ていきます。
糖質が体内に入ると、インスリンが分泌してそのインスリンが糖質が分解されてできたグルコースを体中の細胞に運びます。そのため血糖値が一気に上がり、その後急激に下がります。
この上下動によって、血糖値がガクンと下がると「糖質を摂りたい」という飢餓感が激しくなります。
お腹は空いていないけどダラダラと食べ続けてしまうのはこういった理由からです。
更に糖質は腸内に住む悪いバクテリアのエサになります。
悪玉のバクテリアは糖質が入ってくると、もっと糖質を得ようと、人間が甘いものを欲しがるような物質を作って誘導します。
甘いものを食べると更に甘いものを食べたくなるという悪循環に陥るのです。
●糖質の悪影響その2
糖質を摂るとタンパク質とくっついてそれに熱が加えられるとAGEという極めて破壊的な物質に変化します。AGEは細胞を攻撃して、炎症を引き起こします。
あらうる病気の原因は体内の炎症です。その炎症を引き起こす物質AGEを生み出しているのが糖質です。
まとめると
・糖質をエネルギー源とすることでエネルギーの供給が不安定になり、集中力低下などの弊害を引き起こす
・糖質の摂りすぎて病気の原因となる炎症を引き起こすAGEを生み出している。
ちなみに1万年前の人類が摂っていた糖質は1年で小さじ22杯だったそうです。
それに対して現代は1年で小さじ21万1400杯(約63キロ)摂っているそうです
④良いアブラを摂る理由
③で「糖質を控えて良いアブラを摂る」という食事術の「糖質を控える」に焦点をあててみていきました。
ここではもう一つの「良いアブラを摂る」という部分を見ていきます。
●良いアブラを摂るべき理由その1
まずアブラを摂る理由は②で説明した「ファットバーニング」人間の自然なエネルギー消費ができるようになるという点です。エネルギー供給が安定して集中力が上がり、脳がクリアになります。
更に脂質は4万キロカロリーも蓄えられるので疲れない体(エネルギー不足にならない)体にすることもできます。
●良いアブラを摂るべき理由その2
病気の原因となる「炎症」を防ぐことです。ここが一番のメリットともいえます。
糖質を摂りすぎるとAGEという物質がたまってそれが炎症を引き起こすという話をしましたが、そもそも炎症とは何でしょう。
ひじを壁にぶつけるとそこが赤くなります。
ひざをすりむくと血が出ます。喉に風邪の細菌が入ると腫れて痛くなります。これが炎症です。
ただこれは「急性」の炎症で体が治癒するための自然な反応です。
もう一つ「慢性」の炎症があります。
炎症の原因が取り除かれなかったり、常に攻撃を受けたりしていて、炎症状態が続いている状態です。こちらが厄介です。
慢性炎症が長く続くと、細胞や遺伝子を傷つけるため、細胞が本来の機能を発揮しなくなります。
そのせいで内臓の障害などを病気を患ったり、細胞が変化してがんになったり、脳の機能が衰えてアルツハイマー病になったりします。
慢性炎症の原因は、排気ガスやタバコの煙、放射線などです。そして一番の原因が食べ物です。
ですが良いアブラを摂ることで炎症を防ぐことができます。
細胞膜はアブラで作られているので、良いアブラを摂ることで細胞膜が元気になり、細胞にとって良いものを吸収できるようになります。
細胞自身の環境も良くなり、機能が活発になり細胞内に溜まっている毒素を短時間で排除できるようになります。
まとめると、良いアブラを摂るべき理由は
・ファットバーニングという人間が本来持つ自然なエネルギー消費にすることでエネルギー共有が安定して脳の機能が高まるから
・炎症と炎症の慢性化が原因で起こる病気を防げるから
です。
⑤超一流の食事術実践
●基本的なやり方
1.8時間の間に食事を摂る(脂質多め、糖質控えめ)
2.残り16時間は水やお茶以外は何も食べない
3.これを21日間続ける
●こんな時はどうしたらいい?
Q.どうしても揚げ物が食べたい
A.アブラは基本的に加熱するとトランス脂肪酸という有毒な物質を発生するものに変化するため加熱はNGです。しかしどうしても揚げ物が食べたい。そういう時はトランス脂肪酸に変化しない飽和脂肪酸のアブラを使うようにすれば大丈夫です。ギーやバター、ラード、ココナッツオイルなどが当てはまります。といっても月2,3回程度に止めるべきだそうです。私は炒め物などアブラを加熱する際はグラスフェッドギーやグラスフェッドバターを使っています!
Q.どうしてもご飯、パンが食べたい
A.どうしても炭水化物が我慢できない時、または付き合いで食べなければいけない状況になったら食べるタイミングは「夜」にすべきです。夜に食べてもあとは寝るだけなのでエネルギーレベルが不安定でも心配は入りません。翌日からまたサイクルを戻せば大丈夫です。
Qどうしても甘いものが食べたい
A.現在のシュガーバーニングの状態で甘いものを断つと、禁断症状のように甘いものが欲しくなります。最初の3週間。ここが我慢のしどころ。ファットバーニングへ移行するまでの辛抱。
でも甘いものが食べたくて仕方がない、ストレスが半端ない時が来るかもです。その時は砂糖の代わりにキシリトールやステビアなどの人工甘味料を使ったものなら食べてOK。食べ過ぎには注意。
私は、ブラックチョコレート(カカオ95%)を食べて凌いでいます
Q.食事術に挑戦中に我慢できず暴食してしまった。
A.気にする必要はありません。
ここで一番やってはいけないのは走ろうと考えていたレールを外れてしまったとき、自分を責めて罪悪感を抱くこと
一つ研究を紹介します。
アメリカでのリサーチです。
ダイエットで50キロ落とした人の中で、そのまま維持できた人と、リバウンドしてまた体重が増えてしまった人たちの心理状況を調べました。
結果、リバウンドした人たちは例外なく自分を責める人でした。
今まで1日もやっていなかったことを1日だけでもできただけでも進歩です。
失敗する人は自分に厳しすぎるのかもしれません。一気に変わろうとせず少しづづでいいというスタンスで臨むといいかもですね。
■総括
最後の「食事術に挑戦中に我慢できず暴食してしまった。」のところですが私もこの食事術を実践中に暴食をしてしまったことがありました。
ちょうどファットバーニング以降の一番辛い時期に仕事でミスをしてしまいストレスが最大値になりました。
帰り道、手にもった袋の中には大量のお菓子、菓子パン、アイス。暴食しました。
2週間で道を逸れてしまいました。
しかし今まで毎週のように甘いものを食べていたのを考えると1週間我慢できたのです。
少し進歩したのです。
正直、本書の食事術を実践するのは相当難しいです。
大好きな甘いものを断つと考えただけも嫌になる人がいるのではないでしょうか。
まずはベイビーステップで少しづつ変えていきましょう。
明日の夜ご飯のご飯を半分にする、サラダにドレッシングではなくオリーブオイルをかけるとか。
ちなみに上記であげた暴食の件はこれを書いている30分前の出来事です笑。
このように間違いをしてしまったら、なぜ自分がそうしたのか、冷静に原因を見つめて、そこから学べば問題ないです。
今回は何でしょうね。スーパーのスイーツコーナーに立ち寄った。とか小さなストレスが溜まっていて仕事のミスでダムが崩壊したとかでしょうか。
本書は、私たちが変わる最高の食事術を伝えてくれる本ですが、私が一番刺さった部分は総括で書いた「失敗しても自分を責めない」という点です。
私たちは自分に厳しすぎるから習慣化できていないのかもしれません。
一度失敗したらダメ、完璧にやるべきというルールはありません。
少し自分に優しくなってできなかった部分よりできた部分に視点を当てられたらもっと自分を変えていけるのかなと感じました。
記事について
■執筆者情報
名前:れお
職業:ITエンジニア
Twitter:https://twitter.com/reotyall