本記事は、読書コミュニティLectioにて、メンバーが作成した記事です。
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■書籍紹介
タイトル:自分の意見で生きていこう
著者名:ちきりん
出版社:ダイヤモンド社
初版発行日:2022/1/11
■「自分の意見で生きていこう」の概要
超人気社会派ブロガーこと「ちきりん」さんの最新書籍。
『自分のアタマで考えよう(2011/10)』、『マーケット感覚を身につけよう(2015/2)』『自分の時間を取り戻そう(2016/11)』に続く「これからの世の中を生き抜くために必要とされる根幹の力」について解説するシリーズの最終巻。
人はみな、自分の意見を言うのは恥ずかしい、怖いという思いと、自分の意見を発信して認知を得たい、インフルエンサーになりたいという思い、どちらも抱いているのではないでしょうか。
自分の意見を発信するとはどういうことか、発信活動をしている上で気をつけるべきことは何なのか、ということを学べる1冊です。
ブログ、YouTube、Twitter、Instagram、TikTok、Facebookなど様々な媒体で情報を発信する人であれば、必見の内容です。
■「自分の意見で生きていこう」書籍紹介
まず初めに、本書にかかれている「意見」とは何かというポイントについてお伝えします。
世の中のあらゆる問題は「正解のある問題」と「正解のない問題」の2つに分けることができます。
例えば、
正解のある問題とは ・2+2×3=? ・iPhoneの最新機種は? ・日本の30代の人口は?
正解のない問題とは
・数学を勉強することに意味はあるのかな?
・どのiPhoneが自分にとって最適なのかな?
・日本の働き盛りの人口を増やすにはどのような対策が良いのかな?
などです。
正解のある問題は、「調べる」ことで「答え」を見つけることができます。
2+2×3=4×3=12というのは「間違った答え」であり
2+2×3=2+6=8というのが「正しい答え」です。
一方で、正解のない問題は、「考える」ことで「意見」を持つことができます。
僕にとっては、最新機種で最高スペックのiPhone14 Pro Maxが最適だ。 私にとっては、型落ちで安くてサイズも小さいiPhone13 miniが最適だ。
このように、「意見」というのは”人それぞれ”ですので、「正しい意見」も「間違った意見」もありません。
このポイントを理解できていると、
・他人に「正解のない問題」について「答え」を求める
・他人の「意見」に対して「正しい」「間違っている」と評価する
ことが、いかに意味がないことか理解できると思います。
「意見」には「正しい」「間違っている」はなく、「Aさんの意見」「Bさんの意見」があるだけです。
大学に進学するべきか、高卒で働くべきか
就職するべきか、起業するべきか
都会に住むべきか、地方に住むべきか
日本に住むべきか、海外移住するべきか
結婚するべきか、独身でいるべきか
子どもを持つべきか、夫婦ふたりで過ごすべきか
持ち家を購入するべきか、賃貸に住み続けるべきか
世の中は「答えのない問題」で溢れかえっています。
そして、「答えのない問題」について「意見」を持つには自分の頭で考える、考え続ける、考え尽くす必要があります。
この考え尽くして、自分の「意見」を公表することは難しく、恥ずかしいことだと思います。
ただし、思い返してみてください。
テレビで人気のコメンテーター、SNSで発信力のあるインフルエンサー、会社で発言力のあるデキる先輩や上司、すべての人は自分の頭で考えた「意見」を確立しているはずです。
そのような発信力を身に着けたいと願っているのであれば、考えるという行為から逃げること無く、自分の頭で考えた「意見」を言える人にならないといけません。
本書では、「自分の頭で考えて、意見を持つ方法」をステップ立てて解説してくれています。
もしあなたが、
・自分の頭で考えるのは苦手 ・他人の意見に惑わされがち ・自分の人生を生きていきたい ・SNSなどで、自分の意見に対する反応が気になる
そんな風に感じているのであれば、ぜひ本書を手に取ってみてください。
自分の「意見」を持ち、発言できるようになると、人生はどんどん充実していきます。
■「自分の意見で生きていこう」の要約
ここでは、「意見」を言うためには「ポジション」をとる必要があるという点について触れていきたいと思います。
本書では、世の中には「反応」しかしない人が多いと言及されています。
「意見」と「反応」この2つの違いはなにでしょうか。
「意見」とは、ポジションをとった上での発言であり、
「反応」とは、ポジションをとっていない発言です。
もう少し、噛み砕いてみましょう。
「ポジションをとる」とは、自分がどういう立場(賛成か反対か)で考えているかを明確にするということです。
本書では、厚生労働省が新型コロナ対策として作成した接触確認用スマホアプリ(通称:COCOA)を例にして解説されています。
筆者「アプリが納品されたときに動作確認もしないなんて、厚生労働省はアホすぎる!」
”引用”p41
返答1「ちきりんはなにもわかっていない!」
返答2「いや反対だ。ヒドいのはアプリの開発会社だ。厚労省の問題じゃない」
返答3「厚労省のどういう点がヒドいと思うのですか?」
返答4「厚労省はたしかにヒドい。でも開発会社も同じくらいヒドいでしょ」
返答5「開発会社側に問題がないというなんてありえない」
返答6「厚労省もヒドいけど受注側の開発会社のほうがヒドいでしょ」
さて、この6つの返答のうち、どれが「意見」でどれが「反応」でしょうか。
大切なのは、これらの返答が「ポジションをとっている」発言かどうかです。
今回の例の場合であれば、立つべきポジションは以下の4つです。
①厚労省、開発会社共に責任がある ②厚労省に責任はあるが、開発会社には責任はない ③厚労省に責任はないが、開発会社に責任がある ④厚労省、開発会社共にに責任はない
この枠組で考えると
「意見」→返答2、返答4、返答6 「反応」→返答1、返答3、返答5
と分類できます。
このように考えていくと「意見」を言うためには「ポジションをとる」ことが大切だと理解できるのではないでしょうか。
さて、ここで振り返って見てほしいところは、SNS等に寄せられるコメントです。
いわゆる批判的なコメントほど「ポジションをとっていない反応」だということに気がつけるはずです。
近年、ネット上でのイジメなどが話題にあがることもありますが、端的に言えば、意識しておくべきことはたったの1つです。
「ネット上も、リアルの社会と同じ」
リアルの社会で、本人を前にして言わないことは、ネット上でも発言しない。
これだけです。
■総括
自分の頭で考えること、考え尽くすことが苦手だった人には、少しだけ難しいかもしれません。
ただし、本書には様々な具体例とともに分かりやすい文章でまとめられています。
おそらく、今後はWeb3.0の世界になり、今まで以上にネット上での発言が重要になってきます。
しっかりと「ポジションをとった自分の意見」言えるようになっていきたいものですね。
リアルの社会で、SNSなどのネット上で、自分の「意見」を発信して影響力をつけていきたいと思われている方には、一読をおすすめいたします。
記事について
■執筆者情報
名前:おーさん
職業:設計開発職
Twitter:https://twitter.com/oosan_wolfpapa
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