答えは体を動かすだけ|最強脳 -『スマホ脳』ハンセン先生の特別授業-

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■書籍紹介

■書籍情報

タイトル:最強脳 -『スマホ脳』ハンセン先生の特別授業-
著者名:アンデシュ・ハンセン
 訳:久山 葉子
出版社:新潮社
初版発行日:2021/11/17

こんな人にお勧め!

■こんな人に読んでほしい
・集中力や記憶力を上げる方法を脳科学的に知りたい人
・運動を継続するモチベーションを上げたい人
・ストレスを有効活用する方法を知りたい人

■「最強脳 -『スマホ脳』ハンセン先生の特別授業-」の概要

集中力、記憶力が上がり、発想力も豊かになる。

また、今より幸せな気分になり心も落ち着かせる方法があると著者のアンデシュ・ハンセンは述べる。

その方法とは一体何か?

答えは体を動かすだけである。

あなたの脳は変えられる。

 ■「最強脳 -『スマホ脳』ハンセン先生の特別授業-要約

 1.脳がくれる「ごほうび」 

私たちの脳には「報酬」を与えるシステムが備わっています。

人は食べなければ死んでしまいます。

その為、脳は食べ物を食べるたびに「報酬」を与え、食べ物を食べることは幸せなことだと認識させ、生き残ることができるように進化してきました。

「報酬」といいうのは「ドーパミン」「セロトニン」「オキシトシン」「ノルアドレナリン」などの化学物質です。

本書ではわかりやすく「報酬」=「ドーパミン」として紹介しています。

しかし、現在の社会では「報酬」をもたらすものがたくさあります。

その一つの例としてSNSの「いいね!」を挙げています。

SNSの通知は小さな「ドーパミン」を放出させ、注意を散漫にします。

なぜこのようなことが起きるのかというと、脳のシステムが何万年も前に出来上がった時に、スマホは存在しませんでした。

その為、脳はSNSの「報酬」に対応することが出来ないのです。

2.SNS以外の「ご褒美」

では、体に悪くない「ドーパミン」の出し方はあるのでしょうか?

その答えは体を動かすことです。

実は、運動をした後には「ドーパミン」が出ます。

これは「ヒト」の進化からみてもとても好都合なことです。

「ヒト」は何万年も前、食べ物を探し、狩りをしなければなりませんでした。

そのためには、体を動かすのはもちろん、強い筋肉や心肺機能が必要だったのです。

その為、私たちの脳は体を動かすと「ドーパミン」が放出されるようになっているのです。

また「ドーパミン」以外にも幸せを感じたり、痛み止めの作用を持つ「エンドルフィン」も発生します。

「ドーパミン」の出る量はスマホの通知より運動の後の方が多いと著者は述べています。

本書では、具体的な運動の目安として週に3回、30分の運動を推奨しています。

楽しければどのような運動でもよく、目安より少なくても継続することが大切だと述べています。

 3.ストレスは悪くない!?

「ヒト」には、危険を知らせてくれる警報機の役割を果たす脳の部位があります。

それが扁桃体です。

昔、サルの扁桃体を切除したらどうなるのかという実験が行われました。

扁桃体のないサルは、毒をもった蛇を怖がらずにブンブン振り回したそうです。

ストレスは悪いものではなく、私たちに危険を知らせてくれる重要な役割を持っています。

扁桃体はストレスを感じると「コルチゾール」という物質を放出し、危険を知らせます。

だとしたら「コルチゾール」の値を下げればストレスからも楽になるのでは?

もうお分かりの通り「コルチゾール」を下げる方法も運動です。

運動をすると一時的に「コルチゾール」が上昇しますが、運動が終わると「コルチゾール」は下がります。

しかも、運動する前より「コルチゾール」の値が下がるのです。

これを継続して行うとストレスや緊張に強くなる脳のシステムが出来上がっていきます。

 最強脳 -『スマホ脳』ハンセン先生の特別授業-の総括

 「ヒト」の脳は常に生き残るために進化しづけてきましたが、現代社会(主に産業革命)以降、どんでもないスピードで文化が発展し「ヒト」は適応できず、様々な不調が生じていると感じます。

そんな中、本書では、運動をすることにより脳を鍛えることが出来ると述べています。

脳には可塑性(ざっくり言うと成長するということ)があると、ロンドンのタクシー運転手の実験結果から分かっています。

運動して脳を鍛えれば人は変わることが出来ると私は思っています。

個人的な話なのですが、私は一年半ほど運動(ウォーキング)と筋トレをして10キロ痩せました(笑)

ダイエット目的で始めたのではなく、健康のためにやっていたら副次的に得られたものなのですが、実際に自分自身で体験してみて運動の効果をより実感することが出来ました。

-脳の成長は止まることがない。脳はいつでも変えられるし、成長させられます-

アンデシュ・ハンセン

記事について

執筆者情報
読書コミュニティLectio
名前:けいすけ

この記事を書いた人

マグ

マグ

Twitterフォロワー数9万人の、読書系インフルエンサー。Voicyにて書籍紹介。1%読書術(KADOKAWA)著者