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■書籍紹介
タイトル:ストレス脳
著者名:アンデシュ・ハンセン 訳:久山葉子
出版社:新潮社
初版発行日:2022/7/19
■「ストレス脳」の概要
これほど快適に暮らせるようになったのに、なぜ多くの人が精神的な不調を訴えているのだろうか。
本書はその答えを探す本だーーーと語るのは、『スマホ脳』『一流の頭脳』『最強脳』が世界的ベストセラーとなり、スウェーデンで国民的人気を得た精神科医、本書の著者こと、アンデシュ・ハンセン氏。
本書、スマホ脳は、生物学と脳の観点から不安やうつを考察し、その知識をベースに精神的に元気でいるためには何をすればいいのかに焦点を当てています。
もしあなたが、
・軽度のうつや不安を抱えている
・ストレスの対処法を知りたい
・なぜ不安を感じるのか知りたい
上記に一つでも当てはまるなら、ぜひストレス脳を読み、思考に定着させて行動に落とし込んでみてください。
自分にも他の人にも優しくなれ、精神の状態を気遣うようになりますよ。
脳に関して言うとーー人生のほとんどのことがそうであるようにーー知識こそが力なのです。
(引用p.6)
■「ストレス脳」の要約
ここでは「自分たちが過去にどこにいたのか」という点を踏まえ、脳と不安について触れていきたいと思います。
そして最後に1点、本書に書かれている不安を騙すテクニックをご紹介します。
1.私たちはサバイバルを生き残った子孫である
人類の歴史を巻き戻すと、感染症や野生動物からの攻撃などにより生き残る人はごくわずかでした。
そんな中、危険に対して敏感に反応できる人ほど生きる確率が上がり、故に生き残った人たちの子孫である私たちも強い警戒心を受け継いでいます。
もし不安が一切無ければ、私たちの先祖はライオンに攻撃され、食べられ、全滅していたでしょう。
脳が最優先するのは幸せを感じることではなく、生き延びて子孫を残すことなんです。
人間について知っておかなくてはならないのは、私たちがいかに変わっていないかという点だ。
(引用p.25)
2.脳はあるがままに世界を解釈させてくれない
心理学や神経科学の研究で、脳が記憶を変化させることが分かっています。
自分は優れていると思わせることもあれば、手のひらを返したように自分は完全に無価値だと思わせることもあります。
この感覚に身に覚えはないでしょうか?
なぜこんな風に思うのか悩んだことはないでしょうか?
脳はグループに属しておくために不快な真実に目をつぶらせ、重要で視野の狭い任務「生き延びる視点」でしか世界を見せてくれないのです。
3.不安は自然の防御メカニズム
不安は未来を予測する能力の代償だとされてきました。
高度な脳を持ったおかげで計画を立てることが可能になりましたが、避けたいことまで想像してしまうために心配の源にもなります。
いわば知性の代償。
現在の知識からすると、不安は私たちを守ってきた自然の防御メカニズムでもあり、正常に機能している証拠でもあります。
不安は危険なものではなく、自分を助けるものなのです。
心の混乱にも役割と秩序があることを知ると、気持ちが落ち着くだけでなく、自分の情動を観客のように眺められるようになる。
(引用p.74)
ここで1つ、本書に書かれている不安を騙すテクニックをご紹介します。
・数分間、何度か深く落ち着いた呼吸を繰り返す。
・目安としては4秒かけて吸い、6秒かけて吐く。
・ゆっくり息を吐くと、脳を騙して「闘争か逃走か」の状態を抑制することができる。
・不安が薄れるのをはっきり感じる人が多い。
■「ストレス脳」の総括
ここまで共通しているのは「生き延びること」です。
なぜ不安を抱えるのかという辛い思いが、実は私たちの命を守ってくれていたことになります。
ですが、分かっていても不安やうつを抱えてる方からすればしんどいですよね。
ここで紹介したのはごく一部。
本書には、あなたを助けるストレスの処方箋がまだ眠っています。
記事について
■執筆者情報
名前:まっちゃ
職業:Kindle作家
「Lectio」小説読書会オーナー
作品:https://amzn.to/3UUnOWU
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Twitter:https://twitter.com/maccya_book